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『[[くしゃろん|倶舎論]]』によると、器世間はいわゆる[[さんぜんだいせんせかい|三千大千世界]]のことで、そのそれぞれの世界は[[しゅみせん|須弥山]]を中心とする宇宙構造をなしている。サンスクリット原語も、文字通り「容器たる世界」の意味である。 | 『[[くしゃろん|倶舎論]]』によると、器世間はいわゆる[[さんぜんだいせんせかい|三千大千世界]]のことで、そのそれぞれの世界は[[しゅみせん|須弥山]]を中心とする宇宙構造をなしている。サンスクリット原語も、文字通り「容器たる世界」の意味である。 | ||
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+ | 「器」とは[[ゆう|用]]なり。謂わく彼の浄土は是れ彼の清浄の衆生の[[じゅゆう|受用]]する所なり。故に名づけて器となす。 |
2025年3月19日 (水) 11:46時点における最新版
器世間
bhājana-loka (S) 「器世界」とも書く
「有情世間」(衆生世界)に対する語である。有情(衆生)の存在する環境世界のこと。依報・正報(依正(えしょう))の依報に当り、五陰・衆生・国土の三世間では国土世間にあたる。
『倶舎論』によると、器世間はいわゆる三千大千世界のことで、そのそれぞれの世界は須弥山を中心とする宇宙構造をなしている。サンスクリット原語も、文字通り「容器たる世界」の意味である。
- 是の如く、已に有情世間を説く。器世間、今まさに説くべし。 〔倶舎論十一〕
- 無始より衆生世界、纏転を生ずる故に、器世間に於いても超越すること能わず。 〔楞伽経四〕