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+ | 欲望にとらわれた生物が住む世界。[[さんがい|三界]](さんがい)の一つで、[[じごく|地獄]](地獄に落ちたもの)・[[がき|餓鬼]]・[[ちくしょう|畜生]]・[[あしゅら|阿修羅]]・[[にんげん|人間]](人(にん))・[[てん|天]](神)が住むところ。 | ||
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+ | この世界の有情には食欲・婬欲・睡眠欲の三欲があるから、これを欲界という。欲界という名称は有情世間(そこに住する有情)と[[きせけん|器世間]](有情を入れる器としての山河大地など)とを含む。<br> | ||
+ | [[しきかい|色界]]と[[むしきかい|無色界]]とが定心([[ぜんじょう|禅定]]、[[さんまい|三昧]]に入って散動しない心)の地であるのに対して、散心(散動する通常の心)の地であるから欲界散地といい、三界を九地に分けるときには欲界五趣地と称して、欲界の全体を最初の一地とする。 |
2018年7月5日 (木) 10:15時点における最新版
欲界
kāma-dhātu कामधातु (S)
ある種の有情の生存の状態、またその有情が住する世界をいう。欲界・色界・無色界の三界に分ける中の一つ。地獄・餓鬼・畜生・(阿修羅)・人間・六欲天を合わせての称。
欲望にとらわれた生物が住む世界。三界(さんがい)の一つで、地獄(地獄に落ちたもの)・餓鬼・畜生・阿修羅・人間(人(にん))・天(神)が住むところ。
この世界の有情には食欲・婬欲・睡眠欲の三欲があるから、これを欲界という。欲界という名称は有情世間(そこに住する有情)と器世間(有情を入れる器としての山河大地など)とを含む。
色界と無色界とが定心(禅定、三昧に入って散動しない心)の地であるのに対して、散心(散動する通常の心)の地であるから欲界散地といい、三界を九地に分けるときには欲界五趣地と称して、欲界の全体を最初の一地とする。