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+ | # 信根、三宝四諦を信ずると。 | ||
+ | # 精進根、また勤根と名づく、勇猛に善法を修すること。 | ||
+ | # 念根、正法を億念すること。 | ||
+ | # 定根、心を一境に止めて散失せしめざること。 | ||
+ | # 慧根、眞理を思惟すること。 | ||
+ | この5法はよく他の一切の善法を生ずる本となるから'''五根'''というのである。 | ||
この五無漏根は、[[ぼんのう|煩悩]]をおさえて、正しいさとりの道におもむかせる、勝れたはたらき(増上)があるので「根」と呼ばれる。 | この五無漏根は、[[ぼんのう|煩悩]]をおさえて、正しいさとりの道におもむかせる、勝れたはたらき(増上)があるので「根」と呼ばれる。 | ||
− | + | 清浄の法の中において、信等の五根は[[ぞうじょう|増上]]の[[ゆう|用]]あり。所以は何。この勢力に由って諸々の煩悩を伏し、聖道に引くが故なり。〔倶舎論3、T29-14a〕 |
2021年8月3日 (火) 15:17時点における版
五根
「根」とは、サンスクリット語で「indriya」である。その5つの根を指す。
眼耳鼻舌身
眼(げん)根・耳(に)根・鼻(び)根・舌根・身根の5根で、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5つの感覚を感じる五官、もしくはその機能を言う。五根は外界の対象をとらえ、心の内に五識の認識作用を引き起こす、というすぐれたはたらきがあるので、増上という意味で「根(indriya)」と言われる。
この根を感覚器官としてみることによって、物質からできているとして「五色根」とも言われる。
数論(Sāṃkhya)学派は、「五知根」(ごちこん)といい、身根を皮根とする。
五無漏根
信・勤・念・定・慧の五無漏根もまた、五根と呼ばれることがある。五無漏根は三十七道品のうちの一つである。
- 信根、三宝四諦を信ずると。
- 精進根、また勤根と名づく、勇猛に善法を修すること。
- 念根、正法を億念すること。
- 定根、心を一境に止めて散失せしめざること。
- 慧根、眞理を思惟すること。
この5法はよく他の一切の善法を生ずる本となるから五根というのである。 この五無漏根は、煩悩をおさえて、正しいさとりの道におもむかせる、勝れたはたらき(増上)があるので「根」と呼ばれる。
清浄の法の中において、信等の五根は増上の用あり。所以は何。この勢力に由って諸々の煩悩を伏し、聖道に引くが故なり。〔倶舎論3、T29-14a〕