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ごとくち

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

2025年2月20日 (木) 16:19時点におけるマイコン坊主 (トーク | 投稿記録)による版 (後得智)

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後得智

pṛṣṭha-labdha-jñāna पृष्ठळब्धज्ञान (S)

 仏教の説く智慧の一つで、「根本無分別智」の後に獲得される智慧。
 根本無分別智とは究極の真理である一味・平等の真如を無分別に見る智慧のことであり、その根本的な智慧を得たのちに、ふたたび現象的な差別の世界を分別をもって眺める智慧のことを後得智という。

 真如を見る以前の「分別智」とちがって、この後得智はすでにそのなかから汚れがとり除かれ、清浄になって世間観察するから、詳しくは「世間清浄分別智」とよばれる。この智によって具体的に世間の中で人びとを救済することができる。

此偈但顯根本智及後得智。由依止不同故有差別。根本智依止非心非非心。後得智則依止心故。二智於境有異。根本智不取境。以境智無異故。後得智取境。以境智有異故。根本智不縁境。如閉目。後得智縁境。如開目。〔摂大乗論釋12、T31.0242c〕
故如來本識永離一切解脱障及智障。此識或名無分別智。或名無分別後智。若於衆生起利益事。一分名俗智。若縁一切法無性起。一分名眞如智。此二合名應身〔摂大乗論釋4、T31.0181a〕
問。加行・根本・後得皆名無分別。問。若皆無分別者。未審有何差別。答。雖無分別義各不同。如加行智無顛倒分別。正對智無推求分別。後得智無邪思惟分別。故此三種皆名無分別。今唯取縁事生後得分別智。不取縁安立四諦無分別智。〔成唯識論述記集成編 No. 2266_ 湛慧撰、T67-0766a〕