唯識派
(skt.) vijJaana-vaadin विज्ञानवादिन्
外界の事物はみな空であり、あらゆる存在はただ自己の心識の現れにすぎないとみる唯識を説く学派。ヨーガ(瑜伽(ゆが))の実践を通して唯識を観ずるところから、瑜伽行派あるいは唯識瑜伽行派ともよばれる。
この学派の開祖は弥勒(maitreya)とされるが、史的人物かどうかはさだかではない。この派の説く唯識・阿頼耶識・三性・三無性などの主教理は解深密経において初めて唱えられ、その後これらの教説は無着・世親の兄弟によって組織体系化された。唯識説は玄奘によって中国にもたらされ、法相宗の成立をみるにいたった。