一心五念
天親菩薩の『浄土論』において、偈頌に
世尊、われ一心に尽十方無礙光如来に帰命したてまつりて、安楽国に生ぜんと願ず。〔浄土論、p.29〕
とある一心と、長行に説かれる五念門との関係をあらわす名目。浄土真宗では、体具の五念・相発の五念の2つの見方をする。
体具の五念
一心の中に阿弥陀仏が修した五念門の功徳がそなわっていることをいう。五念門を修するのと同様の自利利他の功徳がそなわっている一心こそ往生の正因とされる。『二
門偈』には
願力成就を五念と名づく。〔二門偈、p.548〕
とある。
相発の五念
一心を得たものには、信心相続のすがたとして五念門の相があらわれでてくることをいう。