さんじょうじゅ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
三定聚
悟りの修行から、あるいは往生の道から、人(機)すなわち修行する人々の精神的素質を3種に分類したもので、正定聚、邪定聚、不定聚をいう。
一般に正定聚とは、必ず悟りを得ることに定まった者、邪定聚とは、必ず地獄に堕(お)ちる者、不定聚とは、いずれにも定まっていない者のことである。
『釋摩訶衍論』には、次の三種の解釈を挙げている。
- 十信前を邪定聚と名づける。業の果報を信じられない等の故に。三賢及び十聖を正定聚と名づける。安立を決定して位から退かざる故に。十種信心を不定聚と名づける。進むも或ひは退くも未だ決定しない故に。
- 十信前并びに十信心の名を邪定聚とする。皆善根がない故に。無上大覺果の名を正定聚とする。已に滿足する故に。三賢及び十聖の名を不定聚とする。皆未だ究竟せざる故に。
- 十信前の名を邪定聚となす。求心を楽わざる故に。十聖の名を正定聚となす。已に眞證を得るが故に。十信・三賢の名を不定聚となす。未だ正證を得ざるが故に。〔T32 p.596〕
浄土真宗では、真実信心を得た者を正定聚、自力の善によって往生しようとする第十九願の人を邪定聚、自力の念仏にはげむ第二十願の人を不定聚と呼んでいる。