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けんどう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

2018年8月2日 (木) 15:39時点におけるマイコン坊主 (トーク | 投稿記録)による版 (見道)

見道

darśana-mārga (S)

 修行の階梯である三道の一つ。くわしくは「見諦道」といい、無漏智慧によって四聖諦(ししょうたい)(四諦)を明確に観察する位のこと。
 この位において、思想的な煩悩(見惑)が断ぜられ、聖者の位に就くことが可能になるので、凡夫性を離れるという意味で「離生(りしょう)」といい、また邪性のない涅槃に向う聖道という意味で「正性(しょうしょう)」とも言われる。

 修道無学道と進展する三道の最初であり、また、修道とともに修学の必要な位(有学道)とされる。

 五道資糧道加行道見道修道究竟道)の一つ。五道とは涅槃に向けて進みゆく5つの段階。そのなかで真理(諦)を見る段階を見道という。煩悩のない無分別の智慧(無漏慧無分別智)が生じ、それによって四諦の理をさとる段階。
 〈唯識〉は四諦の理に加えて真如の理をさとることを説く。四諦の理を観じる心に十六心があるが、その第十五心までが見道であり、第十六心からが修道となる。〈唯識〉は見道を真見道と相見道とに二分する。通達位とおなじ。

 加行無間無分別智生時、体会真如、名通達位。初照理故、亦名見道。〔『成唯識論』9,T31-50a〕

 大乗仏教では見道位を菩薩地の初地(五十二位の十地の第一)にあてる。