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かんむりょうじゅきょう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

観無量寿経

 『観無量寿仏経』『無量寿観経』ともいい、「観経(かんぎょう)」と略称される。浄土三部経の一つ。阿闍世太子が提婆達多にそそのかされて、父の頻婆娑羅王を幽閉し餓死させようとした王舎城の悲劇を導入部として、極楽世界や阿弥陀仏、観音・勢至二菩薩の観想の仕方および九品往生の観想を説く。

翻訳

 劉宋畺良耶舎の漢訳と伝えられるが、異訳やサンスクリット原典は知られず、中央アジアもしくは中国で作られたとの説もある。ただ、きわめて類似した経典がウイグル語で伝えられている。

中国編集説

 「無量寿仏」と「阿弥陀仏」の2つが用いられている点を手がかりとして、この経典は本来別々に存在していた阿闍世王伝説、定善十三観、散善三観をある編集意図から一本にまとめ、それに結語を付して一経の体裁を整えたものという明確な中国編集説を、龍谷大学の山田明爾教授によって提起されている。

注釈者

  • 慧遠
  • 智顗
  • 吉蔵
  • 善導
    4巻本。構成は、他説の論破を主眼とした玄義分、経文の序文および定善(じょうぜん)・散善を釈した序分義と定善義・散善義より成る。((観経)四帖疏(しじょうのしょ))とも呼ばれる。
     中国では広く流布しなかったが、日本では「偏依(へんね)善導」という法然や、「善導独明仏正意」(正信偈)と讃歎した親鸞などの浄土思想形成に多大な影響を及ぼした。