じゃけん
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
邪見
mithyā-dṛṣṭi (S)
善悪の果報や三世の因果などを否定する誤った見解。
広くはすべての邪悪な誤った見解を指すが、特に因果の道理すなわち縁起の教法や、また修行によって悟りに達した仏陀の存在などを認めず、その結果として三宝の否定につながる見解をいう。
これは仏教と根本的に対立する立場であるため、誤った五つの見解(五見)の中で最悪のものとみなされている。
現代日本語で、「思いやりのないこと」「無慈悲なさま」を意味するのは、正しい見解を持ち得ないという意味から転じたもので、同義の用法は
世間の法には、慈悲なき者を邪見の者といふ 〔日蓮(顕謗法鈔)〕
のように、すでに中世から認められる。