異生性
pṛthagjanatva (S)
凡夫たること。凡夫性。凡夫をして凡夫たらしめる本性。
一切の凡夫は真理に迷っているために煩悩を有する。この煩悩の力が凡夫をして聖者たらしめること能わず、凡夫たらしめるのを異生性と名づける。
有部では、聖道が得られないことを意味する。
経部では、聖法を生じない個体の連続の特殊な状態を意味する。
凡夫における煩悩の種子。唯識学では、菩薩種性と不定種性との者においては分別起の煩悩障と所知障との二障の種子、決定性の二乗においては分別起の煩悩障の種子のことである。 〔瑜伽師地論3、T30-293c〕〔倶舎論4〕