しきそくぜくう

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色即是空

yad rūpaṃ sā śūnyatāyā, śūnyatā tad rūpam. (S)

 『般若心経』に出てくる句で、「色即是空 空即是色」とある。

 「」とは、物質的存在現象のことであり、縁起によって成立しているからである。また、虚空であるからこそ、そこに物質的存在現象として起こりうるので、「色」である。
 このように対句で説明することによって、物質存在は、あくまで縁起によって現象しているだけであり、そこには執着すべきものはないことを説いている。
 ここで、「色」とはみずからの身体のことを指しており、自分自身が執着の対象ではないことを説いているのであり、同時に自分を成立させているすべての物質存在も執着の対象ではないことを説いている。ここから、人法二空が説かれる。

 なお、「色」は、五薀の一つであり、『般若心経』では色につづく五薀すべて執着の対象とはならないことを説明している。

 およそ存在するもの(有形の万物)は因ねんによって生じたものであり、実体がないということ。すべては実相の仮の現れであるという意味。

 玄奘の訳した『般若心経』に出る文句。原文には、「」の字にあたる言葉は入っていない。原文を訳せば

およそ物質的現象というものは、すべて、実体がないことである。およそ実体がないということは、物質的現象なのである。

となる。すべてそんざいするものは現象であって、永向不変の実体などというものではないという意味である。という見地に立つことによって、同じ人生が全くすがたを変えることになるのであり、その転換の微妙さをシナの仏教者は「即」という字で表そうとしたのであろう。