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せつしゅっせぶ

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

設出世部

Lokottaravādinaḥ

 小乗20部の一つ。仏滅後200年に大衆部の中から分かれた。

  • 一説部と混同されることがある。

 この部の設の特徴は、世間の法は顛倒業から生じる果であって、ことごとく仮名だけのものであり、実体があることはない、唯、出世の法は顛倒から起こるものではないので、道とその修行の果はすべて真実である、とする。
 この設によって「設出世」と名づけている。

 ブッダは真実には出世間なる性質。全知・無限の力、永遠の生命をそなえていると説いた。
 また地上においてブッダがとった肉体的現れまたは行為は、いずれも単なるみせかけのもの、すなわち生き物を救うために演じられた幻影にすぎないという仮現論的教義をも説いた。
 この学派の文献は「マハーヴァストゥ」と尼僧のための規則である「比丘尼律」を除いてほとんど現存しない。この学派のブッダ論の思想は、同様の大乗的概念の発展に影響した可能性がある。