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− | + | 即依此三性、立彼三無性、故仏密意説、一切法無性、初即相無性、次無自然性、後由遠離前、所執我法性 〔[[ゆいしきさんじゅうじゅ|唯識三十頌]]23,24 T31 p.61a〕 | |
− | [[ゆいしき|唯識]][[ほっそうしゅう|法相宗]]の教義で、[[へんげしょしゅうしょう|遍計所執性]]・[[えたきしょう|依他起性]]・[[えんじょうじっしょう|円成実性]]をいう。諸法のとらえ方について3種に分類したもの。 | + | [[ゆいしき|唯識]][[ほっそうしゅう|法相宗]]の教義で、[[へんげしょしゅうしょう|遍計所執性]]・[[えたきしょう|依他起性]]・[[えんじょうじっしょう|円成実性]]をいう。諸法のとらえ方について3種に分類したもの。 |
*'''遍計所執性'''とは、まったく(遍く)分別(計)せられ、しかも実体あるものとして執着された性質ということであり、概念的構想によって実体のあるごとく妄想されたものをいう。 | *'''遍計所執性'''とは、まったく(遍く)分別(計)せられ、しかも実体あるものとして執着された性質ということであり、概念的構想によって実体のあるごとく妄想されたものをいう。 | ||
*'''依他起性'''とは,他に依って起る性質ということであって、[[いんねん|因縁]]によって生起するものをいう。それは固定した実体はなく、ただ現象としてあらわれているものである。 | *'''依他起性'''とは,他に依って起る性質ということであって、[[いんねん|因縁]]によって生起するものをいう。それは固定した実体はなく、ただ現象としてあらわれているものである。 | ||
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− | + | それは現象に内在して顕現する普遍的真理であるが、それ自体は現象すなわち因縁生起を超越したものである。三性は、順次に[[そう|相]](実質)・[[しょう|生]](生起)・[[しょうぎ|勝義]](究極的真理)という点においてそれぞれ[[くう|空]]・[[むじしょう|無自性]](固定的実体を持たない)であるが、これを'''三無性'''という。<br> | |
− | + | 認識論的には、遍計所執性は対象世界([[きょう|境]])、依他起性は主観的認識作用([[しき|識]])、円成実性は主観・客観の対立を滅した'''絶対無二の境地'''をいうと解する説も行われている。 | |
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正道を障碍し、善心を害するもの。これに3つある。「惑業苦」のこと。 | 正道を障碍し、善心を害するもの。これに3つある。「惑業苦」のこと。 | ||
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2017年4月21日 (金) 10:19時点における版
三性
善・悪・無記
法の性質を宗教倫理的価値の点から分類したもので,善・悪・無記(善でも悪でもないもの)の3をいう。
唯識の三性
trayaḥ-svabhāvaḥ, svabhāva-traya, svabhāvas tri-vidhaḥ (skt.)
即依此三性、立彼三無性、故仏密意説、一切法無性、初即相無性、次無自然性、後由遠離前、所執我法性 〔唯識三十頌23,24 T31 p.61a〕
唯識法相宗の教義で、遍計所執性・依他起性・円成実性をいう。諸法のとらえ方について3種に分類したもの。
- 遍計所執性とは、まったく(遍く)分別(計)せられ、しかも実体あるものとして執着された性質ということであり、概念的構想によって実体のあるごとく妄想されたものをいう。
- 依他起性とは,他に依って起る性質ということであって、因縁によって生起するものをいう。それは固定した実体はなく、ただ現象としてあらわれているものである。
- 円成実性は、完全(円成)にして真実なる性質ということであり、諸法の真如をさす。
三無性
それは現象に内在して顕現する普遍的真理であるが、それ自体は現象すなわち因縁生起を超越したものである。三性は、順次に相(実質)・生(生起)・勝義(究極的真理)という点においてそれぞれ空・無自性(固定的実体を持たない)であるが、これを三無性という。
認識論的には、遍計所執性は対象世界(境)、依他起性は主観的認識作用(識)、円成実性は主観・客観の対立を滅した絶対無二の境地をいうと解する説も行われている。
三障
āvaraṇa-traya आवरणत्रय (skt)
正道を障碍し、善心を害するもの。これに3つある。「惑業苦」のこと。
- 煩悩障‥‥‥‥‥‥貪欲・瞋恚・愚痴などの惑
- 業障(ごっしょう)‥五逆十悪の業
- 報障‥‥‥‥‥‥‥地獄・餓鬼・畜生などの苦報
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