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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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 完全な教えという意味で、中国では諸経典の内容を分類批判する[[きょうはん|教判]]([[きょうそうはんじゃく|教相判釈]])において、究極的な教えを'''円教'''と名づけた。
 
 完全な教えという意味で、中国では諸経典の内容を分類批判する[[きょうはん|教判]]([[きょうそうはんじゃく|教相判釈]])において、究極的な教えを'''円教'''と名づけた。
  
 [[てんだいだいし|天台大師]][[ちぎ|智顗]]はすべての経典を分類し、その内容から三蔵教・通教・別教・円教の化法四教を組織づけ、円教は[[けごんきょう|華厳経]]・[[ほうどうきょう|方等経]]・[[はんにゃぎょう|般若経]]の説法中にもあるが、[[ほけきょう|法華経]]はもっぱら円教のみを説いたとして、これを円教とし、日本では[[てんだいしゅう|天台宗]]を円宗という。
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 [[てんだいだいし|天台大師]][[ちぎ|智顗]]はすべての経典を分類し、その内容から三蔵教・通教・別教・円教の化法四教を組織づけ、円教は[[けごんきょう|華厳経]]・[[ほうどう|方等]]・[[はんにゃぎょう|般若経]]の説法中にもあるが、[[ほけきょう|法華経]]はもっぱら円教のみを説いたとして、これを円教とし、日本では[[てんだいしゅう|天台宗]]を円宗という。
  
 
 [[けごんしゅう|華厳宗]]の[[ほうぞう|法蔵]]は小・始・終・頓・円の五教判を立てたが、円教は一乗のことで、華厳経を別教一乗として同教一乗を超えるものとした。
 
 [[けごんしゅう|華厳宗]]の[[ほうぞう|法蔵]]は小・始・終・頓・円の五教判を立てたが、円教は一乗のことで、華厳経を別教一乗として同教一乗を超えるものとした。
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:六[[がくしょう|学生]]を差して円教の学を奨め,八大徳を屈して灌頂の水を飲ましむ    〔顕戒論([[さいちょう|最澄]]) T74 p.590c〕
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 六[[がくしょう|学生]]を差して円教の学を奨め,八大徳を屈して灌頂の水を飲ましむ    〔顕戒論([[さいちょう|最澄]]) T74 p.590c〕

2017年4月30日 (日) 14:35時点における最新版

円教

 完全な教えという意味で、中国では諸経典の内容を分類批判する教判(教相判釈)において、究極的な教えを円教と名づけた。

 天台大師智顗はすべての経典を分類し、その内容から三蔵教・通教・別教・円教の化法四教を組織づけ、円教は華厳経方等般若経の説法中にもあるが、法華経はもっぱら円教のみを説いたとして、これを円教とし、日本では天台宗を円宗という。

 華厳宗法蔵は小・始・終・頓・円の五教判を立てたが、円教は一乗のことで、華厳経を別教一乗として同教一乗を超えるものとした。

 台密では密教を加えて一大円教とした。


 六学生を差して円教の学を奨め,八大徳を屈して灌頂の水を飲ましむ    〔顕戒論(最澄) T74 p.590c〕