「けだい」の版間の差分
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− | + | 世の厭はしきことは、すべて露ばかり心もとまらずなりにて侍(はべ)れば、聖(ひじり)にならむに、懈怠すべうも侍らず。 〔紫式部日記〕 | |
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漢語の「懈怠('''かいたい''')」については、おこたる、なまけるの意味であって、中国古典の『韓非子』(八姦)、『呂氏春秋』(音律)、『呉子』(論将)、『後漢書』(馬皇后伝)などに用例が見えている。 | 漢語の「懈怠('''かいたい''')」については、おこたる、なまけるの意味であって、中国古典の『韓非子』(八姦)、『呂氏春秋』(音律)、『呉子』(論将)、『後漢書』(馬皇后伝)などに用例が見えている。 |
2017年5月9日 (火) 04:50時点における版
懈怠
kausiidya (S)
- 「けたい」と読むことは少ないことに注意。
悪を断ちきり、善を修する努力を尽くしていないことをいう。アビダルマ(阿毘達磨)における五位七十五法の大煩悩地法にあげる六つの煩悩の一つ。
『倶舎論』(4)に
心が積極果敢でないこと
とあるのがそれである。また、唯識の随煩悩のうち大随惑とされる八つの煩悩の一つ〔唯識論(6)〕。
世の厭はしきことは、すべて露ばかり心もとまらずなりにて侍(はべ)れば、聖(ひじり)にならむに、懈怠すべうも侍らず。 〔紫式部日記〕
漢語の「懈怠(かいたい)」については、おこたる、なまけるの意味であって、中国古典の『韓非子』(八姦)、『呂氏春秋』(音律)、『呉子』(論将)、『後漢書』(馬皇后伝)などに用例が見えている。