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# '''説戒犍度''' (せっかい) 半月に一回行われる[[ふさつ|布薩]](uposatha)の儀式を説明 | # '''説戒犍度''' (せっかい) 半月に一回行われる[[ふさつ|布薩]](uposatha)の儀式を説明 | ||
# '''安居犍度''' (あんご) 雨[[あんご|安居]]の仕方を示す | # '''安居犍度''' (あんご) 雨[[あんご|安居]]の仕方を示す | ||
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# '''房舎犍度''' (ぼうしゃ) 精舎の建物や家具、僧園の土地・樹本などの管理や利用の仕方 | # '''房舎犍度''' (ぼうしゃ) 精舎の建物や家具、僧園の土地・樹本などの管理や利用の仕方 | ||
# '''雑犍度''' (ぞう) 諸犍度で取り上げなかった細かな問題 | # '''雑犍度''' (ぞう) 諸犍度で取り上げなかった細かな問題 | ||
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+ | この内、1-10までが重要であるので、「大品<だいぼん>」と呼んでいる。つまり、後の12は「小品」である。 |
2024年4月16日 (火) 16:10時点における最新版
犍度
khandhaka खन्धक (P) の音写。
「篇」「章」の意味である。
律部で出てくる言葉で、「二十犍度」とは「二十章」のことであり、この部分に僧伽が実行しなくてはならない作法や儀式が説かれており、これを作持戒という。
- 受戒犍度 (じゅかいけんど) 具足戒(upasampadā)の作法を示す。ここに成道から初転法輪が説かれる。
- 説戒犍度 (せっかい) 半月に一回行われる布薩(uposatha)の儀式を説明
- 安居犍度 (あんご) 雨安居の仕方を示す
- 自恣犍度 (じし) 安居の最終日(7月15日)の説戒を特に自恣という。いわゆるお盆の日である。これは安居の解散式の説戒について示す
- 皮革犍度 (ひかく) 精舎の静寂を守るため、革屣を用いること
- 衣犍度 (え) 三衣の作り方。布の布施の受け方、五条・七条・九条などの衣の縫い方や、染め方など
- 薬犍度 (やく) 医薬と食事に関する規定
- 迦稀那衣犍度 (かちなえ) 迦稀那衣(衣を作るときの木の枠)の受け方
- 倶睒彌犍度 (くえんみ) コーサンビーにおける比丘たちの諍いについて述べる
- 瞻波犍度 (せんば) 比丘が不正な羯磨をした場合、承服できない比丘の対処法
- 呵責犍度 (かしゃく) 僧残法の汚家悪行をした比丘たちを、その住処から退去せしめる羯磨
- 人犍度 (にん) 僧残罪を犯した比丘に、六夜マーナッタ(七日間の謹慎)を課する羯磨
- 覆蔵犍度 (ふくぞう) 僧残罪を犯し、直ちに告白せず覆蔵していた場合の罪の課し方
- 遮犍度 (しゃ) 布薩説戒に犯戒比丘が出席しようとした時、他の比丘がそれを遮する仕方
- 破僧犍度 (はそう) 提婆の破僧について。いかなる時に破僧となるか
- 滅諍犍度 (めつじょう) 僧伽の諍事に七滅諍法を適用して諍事を滅する仕方
- 尼犍度 (に) 比丘尼僧伽の成立の事情、および比丘尼僧伽の運営など
- 法犍度 (ほう) 儀法(行儀作法)を示す
- 房舎犍度 (ぼうしゃ) 精舎の建物や家具、僧園の土地・樹本などの管理や利用の仕方
- 雑犍度 (ぞう) 諸犍度で取り上げなかった細かな問題
この内、1-10までが重要であるので、「大品<だいぼん>」と呼んでいる。つまり、後の12は「小品」である。