りょうごんきょう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
楞伽経
laNkaavataara=suutra (skt.)
大乗経典の一つである。仏がランカー島(スリランカ)に降下して説いた経ということで、この題名(正しくは『入楞伽』)となった。
唯心の理に立って、一切が空、不生で幻の如しと説き、また唯識の教理体系を採り入れて、三性説や八識説などを説いている。とくに識の根元としての阿頼耶識を、衆生のもつ成仏の能力をあらわす如来蔵と同一視した点に特色がある。如来蔵と阿頼耶識の統合をはかったもので、成立は5世紀ごろと考えられている。
漢訳は3種あるが、最も影響力の強かったのは宋訳の4巻本。達磨が伝持したという話が有名である。経中の「一字不説」の語が禅宗の「教外別伝・不立文字」の典拠となる。また「大悲闡提」の説が有名である。