ほうどう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
方等
vaipulya (skt.) 原語は「毘仏略(びぶつりゃく)」と音写し、「方等」「方広」などと訳される。
「広大な、大いに増広(ぞうこう)発展せしめられた」という意味。原始仏典の分類である九部経・十二部経の一で、教義を広説展開したものをいう。
大乗仏教では小乗仏教には方等はないとして、区別して「大方等」「大方広」などという。このことから大乗経典の呼称とし、「方等経」「方広大乗」などという。
- 於十二分教中、除方広分、余名声聞相応契経。即方広分、名大乗相応契経。 〔瑜伽師地論85 T30-773a〕
- 何等方広。謂、菩薩藏相応言説。如名方広、亦名広破、亦名無比。為何方広。一切有情利益安楽所依処故、宣説広大甚深法故。為何義故名為広。破以能広破一切障故。為何義故名無比。無有諸法能比類故。 〔大乗阿毘達磨集論6 T31-686b〕
法堂
禅宗では「はっとう」と読むことが多い。
禅宗以外で「講堂」に相当する建物。法堂の語そのものは古くから使われおり、新訳華厳経(75)に
- その時、善財童子まさに法堂に昇らんとす 〔T9-755a〕
とあり、法華経(法師功徳品)には「妙法堂(みょうほうどう)」の語がある。
インド一般にこのような建物をdharmaśālāと呼ぶが、サンスクリット仏典に出てくる例はほとんどない。