りつ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
律
vinaya विनय (skt.) 原意は「guidance」「sense of propriety」「chastisement」などの意味である。
比丘・比丘尼は、それぞれ比丘僧伽・比丘尼僧伽という集団生活において修行するため、集団の規則を守らなくてはならない。その集団規則が律である。律は他律的な規則であるが、比丘がそれを自律的な戒の精神で守るところに「戒律」としての意味がある。
律には比丘個人の修行規則と、僧伽の統制の規則との2種類がある。
波羅提木叉
前者は比丘が入団のとき受ける具足戒であり、比丘に250戒,比丘尼に350戒ほどの条文があり、これを波羅提木叉(はらだいもくしゃ)という。
羯磨
比丘・比丘尼がこれらの条文を犯すと罪と認められる。後者は僧伽運営の規則であり、羯磨(こんま)という。これには僧伽入団の規則、布薩の規則、安居の規則、犯罪比丘に罪を与える方法、僧伽にいさかいが起った時の裁判規則、その他多数の羯磨がある。比丘たちは和合の精神に基づいて、僧伽の羯磨を運営し、僧伽の和合を実現するために努力する。