さつがやけん
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
薩迦耶見
satkāya-dṛṣṭi (S)
薩迦耶はsatkāyaの音写で身体を意味し、身体は有るとみる見解を薩迦耶見という。自己は存在するとみる見解。色・受・想・行・識の五薀に対してそれを自己(我)あるいは自己のもの(我所)と考えること。
この五悪に対して合計で20種の見解が可能である。すなわち色蘊に対して
- 色は我である
- 我には色がある
- 色は我に属す
- 我は色のなかにある
という4つの見方があるが、これが他の四蘊についてもいえるから全部で20種の見解(二十句薩迦耶見)が可能となる。
5つの悪見(薩迦耶見・辺執見・邪見・見取見・戒禁取見)の五見の一つ。有身見と意訳され、身見とも略称される。
- 薩迦耶見、謂、於五取蘊、執我我所。一切見趣所依、為業。〔『成唯識論』6,T31-31c〕