そんごうしんぞうめいもん

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尊号真像銘文

 本書の書名の「尊号」や「真像」とは、礼拝の対象とされていたものを指している。「尊号」とは本尊としての名号という意味で、六字・九字・十字などの名号があるが、その銘の文からみて恐らく十字名号であろうと推定される。  また「真像」とは善導大師・法然上人などの浄土真宗伝統の祖師方の肖像画のことである。そしてそれらの名号や画像の上下に書かれた経・論・釈の讚文のことを「銘文」という。  したがって本書は、親鸞聖人が、その当時に本尊として安置された名号や祖師の画像の讚文を集め、そのこころを解説されたものである。  しかし、どの讚文がどの尊号や銘文にあたるのかは、にわかには判断しがたい。

 本書には広略二本があるが、本聖典依用の広本では、本末二巻に分かれ十三種二十一文があげられる。本巻は『大経』の三文、『首楞厳経』の一文、『十住毘婆沙論』の一文、『浄土論』の二文、迦才の一文、智栄の一文、善導大師の三文、太子礼讚の二文、末巻は源信和尚の一文、劉官の法然讚一文、法然上人の三文、聖覚法印の一文、親鸞聖人ご自身の一文から成っている。

 全般的に言えば、冒頭に挙げる『大経』の第十八願に誓われた本願力によって、どのような悪人も本願を信ずる一念に正定聚に住し、念仏往生を遂げて成仏の証果をうるという浄土真宗の肝要を、それぞれの銘文によって解説し、そのことを示された祖師方を讚嘆されたものである。