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あなん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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阿含経 (あごんきょう、aagama (sanskrit, pali))

初期仏教経典。「阿含」とは、サンスクリット・パーリ語の「アーガマ」の音写で、伝承された教説、その集成の意味。
釈迦滅後、その教説は何回かのまとめられて蔵(sutta-piTaka (pali))を形成した。他方、守るべき規則は蔵(vinaya-piTaka (pali))としてまとめられた。

経蔵は、それぞれ阿含または(nikaaya)の名で表示された。現存するものは、スリランカ、ミャンマー(旧ビルマ)、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナムに伝えられているパーリ語聖典と、それに相応する漢訳経典などである。

  1. . 長部 (D^igha-nik^aya (pali)) 長阿含経長篇の経典。
  2. . 中部 (Majjhima-nik^aya) 中阿含経 中篇の経の集成。
  3. . 相応部 (Sa.myutta-nik^aya) 雑阿含経 短篇の経典集。
  4. . 増支部 (A*nguttara-nik^aya) 増壱阿含経 法数ごとに集められた短篇の経典。
  5. . 小部 (Khuddaka-nik^aya) 法句経本生経など。漢訳では相当文が散在。

一般に、前4世紀から前1世紀にかけて、徐々に作成されたものであろう。

中国においても、原初的な経典であることに気付いており、研究を行った記録もあるが、大勢を占めることはなかった。日本にも伝播初期から伝えられており、倶舎宗などでの研究があったとされるが、ほとんど伝えられていない。

阿含経は、パーリ語のものからの漢訳とは考えられない形跡がある。同経典がサンスクリット語で伝えられ、漢訳されたとも考えるものがある。
さらに、パーリ語のニカーヤは、その名のとおり、部派仏教部派にそれぞれ独自に伝えられており、少なからず異動がある。逆に、その異動によって部派を特定することもされている。
現在残っているパーリ語経典よりも、漢訳の阿含経の方が古い形態を残していると認められることがしばしばある。上記の部派による伝承の間に編集ないし変質が加わったためであろう、と考えられている。

このニカーヤ阿含経は、ヨーロッパの研究者によって注目され、世界中に広がった。そのため、大乗経典より西欧に対する影響は大きく、新しい宗教の考え方の基盤となっている思われている。しかし、大半は厳密な翻訳作業を経ておらず、誤った認識を示しているものも多いので、注意を必要とする。
さらに、釈迦の言葉を直接伝えたから、真言として使用することは、インドの密教時代から行われていた形跡がある。しかし、この経典の趣旨から外れている。