しょうどう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
唱導
gaṇī, mahāgaṇī, gaṇa-ācāryaḥ (S)
教えを説いて人を導くこと。唱導の語は、釈尊がおられた時代には舎利弗、富楼那を第一とし、『法華経』従地涌出品に上行などの4菩薩を大衆唱導の首であると説いている所に見える。
説教、法談などと同意で、斎会などで人々に教えを説くことをいう。
中国では「高僧伝」に唱導篇があり、続高僧伝や宋高僧伝に雑科声徳篇があり、日本でも『元亨釈書』に音芸志があって、唱導によって名を知られていた僧の伝を挙げている。
聖道
ārya-mārga: mārga: mārga-satya (S)
聖者の道。見道と修道と無学道とをいう。また、有漏・無漏の修道をいうこともある。〔『集異門論』2,4、T26, 374b:383b〕〔『倶舎論』14〕
聖智。無漏智。聖果(修行の結果としての聖なる境地)に至る因としての道で、無漏清浄の叡智をいう。〔『五教章』下〕
さとり。〔『部就異論』T49, 20a〕
聖人の道。〔『上宮維摩疏』T56, 32a〕
ārya-(aṣṭa-ańga-)mārga (S)
八正道のこと。
浄土門(易行道)の反対語。この世で自力の修行によって聖果をさとる自力門をいう。特に天台宗と真言宗を指して言う。
- 聖と云ふは大聖で仏の事。道とは因で、この行を修行して仏果に至るを聖道と云ふ。〔香月〕
- 聖者の道と云ふ事で凡夫の修する道にあらず。聖者方の修する道ゆゑに聖道と云ふ。〔香月〕
- 浄土宗ならぬ他門の事。〔帰本鈔中本諺註〕