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また歓は身のよろこび、喜は心のよろこびと区別される場合もあり、死後の往生を先立ってよろこぶ語として、現在世において信心が定まって[[ふたい|不退]]の位に入ったことをよろこぶ[[きょうき|慶喜]]と対称されることもある。 | また歓は身のよろこび、喜は心のよろこびと区別される場合もあり、死後の往生を先立ってよろこぶ語として、現在世において信心が定まって[[ふたい|不退]]の位に入ったことをよろこぶ[[きょうき|慶喜]]と対称されることもある。 | ||
[[せしん|世親]]の『十地経論』巻二には、初[[かんぎじ|歓喜地]]〈[[じゅうじ|十地]]〉の菩薩の歓喜を九種に分けて述べている(真の歓喜は初地に至って初めて生ずるからである)。 | [[せしん|世親]]の『十地経論』巻二には、初[[かんぎじ|歓喜地]]〈[[じゅうじ|十地]]〉の菩薩の歓喜を九種に分けて述べている(真の歓喜は初地に至って初めて生ずるからである)。 |
2022年1月29日 (土) 16:32時点における版
歓喜
abhipramodanā: ānandin: tuṣṭa (S)
よろこび。心が歓喜することによって潜在的な根本心(阿頼耶識)にある悪を生じる可能力(種子・麁重)が除滅される。
- 清浄な信を上首として心に歓喜が生じ、心が歓喜するが故に、漸次、諸の悪不善法品の鹿重を息除す。
prīti-prāmodya (S)
歓(prāmodya)と喜(prīti)。色界において静慮(定)を修するなかで生じるよろこび。
- 歓者、謂、従本来、清浄行者、観資糧地所修浄行無悔為先、慰意適悦、心欣踊性。喜者、謂、正修習方便為先、深慶適悦、心欣踊性。〔『瑜伽』11、T30-329a〕
よろこびの意味であるが、浄土教では特に仏の救済あるいは浄土往生の決定をよろこぶ表現として、信心歓喜、踊躍歓喜などと用いられる。
また歓は身のよろこび、喜は心のよろこびと区別される場合もあり、死後の往生を先立ってよろこぶ語として、現在世において信心が定まって不退の位に入ったことをよろこぶ慶喜と対称されることもある。
世親の『十地経論』巻二には、初歓喜地〈十地〉の菩薩の歓喜を九種に分けて述べている(真の歓喜は初地に至って初めて生ずるからである)。