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竜華三会とは、[[とうらいぶつ|当来仏]]の[[みろくぼさつ|弥勒菩薩]]が、56億7千万年の後、[[とそつてん|兜率天]]より地上に降りて、華林園中の竜華樹のもとで3回の法会を開き、数多くの人々を救うことをいう。 | 竜華三会とは、[[とうらいぶつ|当来仏]]の[[みろくぼさつ|弥勒菩薩]]が、56億7千万年の後、[[とそつてん|兜率天]]より地上に降りて、華林園中の竜華樹のもとで3回の法会を開き、数多くの人々を救うことをいう。 | ||
この時を、竜華三会の時、竜華会の朝、竜華下生の暁などという。わが国でも、[[あみだ|阿弥陀]]信仰が盛んになる前は、この当来仏信仰が広く信じられていた。 | この時を、竜華三会の時、竜華会の朝、竜華下生の暁などという。わが国でも、[[あみだ|阿弥陀]]信仰が盛んになる前は、この当来仏信仰が広く信じられていた。 | ||
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*法勝寺の大乗会(だいじょうえ) | *法勝寺の大乗会(だいじょうえ) | ||
この2ヶ寺3つの法会を天台三大法会といい、南都三会と比して「北京(ほっきょう)三会」ともいう。 | この2ヶ寺3つの法会を天台三大法会といい、南都三会と比して「北京(ほっきょう)三会」ともいう。 | ||
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+ | [[びく|比丘]]が個人所有を許された | ||
+ | *[[そうぎゃり|僧伽梨]] =[[だいえ|大衣]]:重衣(saṃghāți) | ||
+ | *[[うったらそう|鬱多羅僧]] =[[じょうえ|上衣]] | ||
+ | *[[あんだえ|安陀会]] =下衣 | ||
+ | の3種の[[ころも|衣]](三衣)のことをいう。 | ||
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+ | ===三衣一鉢=== | ||
+ | 「さんねいっぱつ」と読む。 | ||
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+ | 上記の三衣と、[[たくはつ|托鉢]]の際に[[ふせ|布施]](食物)を受ける1個の鉢(pātra,応量器・鉢盂(はつう))とをあわせて、三衣一鉢と呼ぶ。 | ||
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+ | 出家修行僧は俗世間の欲望を断って、簡素な生活を送ることを原則としたから、私的所有物はこれらに「坐具(ざぐ)」と「水漉し器」を加えた「六物(ろくもつ)」に限られていた。 | ||
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+ | 後に、弟子が師の教えを受け継ぐことを「衣鉢(えはつ)を継ぐ」というのは、このことから発った言葉である。 | ||
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+ | =三慧= | ||
+ | <big>śrutamayī prajñā</big>, <big>cintamayī prajñā</big>, <big>bhāśvanāmayī prajñā</big> | ||
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+ | [[もんえ|聞慧]]・[[しえ|思慧]]・[[しゅえ|修慧]] | ||
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+ | 教えを聞いて得る智慧、これを思考して得る智慧、修行して得る智慧。'''聞思修'''の三慧という。 |
2024年8月3日 (土) 11:52時点における最新版
三会
「さんえ」とも読む。
龍華(りゅうげ)三会
衆生済度のための3回の大法会、特に竜華三会として知られる。
竜華三会とは、当来仏の弥勒菩薩が、56億7千万年の後、兜率天より地上に降りて、華林園中の竜華樹のもとで3回の法会を開き、数多くの人々を救うことをいう。
この時を、竜華三会の時、竜華会の朝、竜華下生の暁などという。わが国でも、阿弥陀信仰が盛んになる前は、この当来仏信仰が広く信じられていた。
南都三会
- 興福寺の維摩会(ゆいまえ)
- 宮中大極殿の御斎会(ごさいえ)
- 一説に興福寺の法華会(ほっけえ)
- 薬師寺の最勝会(さいしょうえ)
この3つを「南京(なんきょう)三会」「南都三会」という。
天台三会
- 円宗寺の法華会・最勝会
- 法勝寺の大乗会(だいじょうえ)
この2ヶ寺3つの法会を天台三大法会といい、南都三会と比して「北京(ほっきょう)三会」ともいう。
三衣
比丘が個人所有を許された
の3種の衣(三衣)のことをいう。
三衣一鉢
「さんねいっぱつ」と読む。
上記の三衣と、托鉢の際に布施(食物)を受ける1個の鉢(pātra,応量器・鉢盂(はつう))とをあわせて、三衣一鉢と呼ぶ。
出家修行僧は俗世間の欲望を断って、簡素な生活を送ることを原則としたから、私的所有物はこれらに「坐具(ざぐ)」と「水漉し器」を加えた「六物(ろくもつ)」に限られていた。
後に、弟子が師の教えを受け継ぐことを「衣鉢(えはつ)を継ぐ」というのは、このことから発った言葉である。
三慧
śrutamayī prajñā, cintamayī prajñā, bhāśvanāmayī prajñā
教えを聞いて得る智慧、これを思考して得る智慧、修行して得る智慧。聞思修の三慧という。