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全26巻より成っていたが、雑法聚を除く20巻が大正蔵(巻44)に収められている。教法聚・義法聚・染法聚・浄法聚に分かれ,それぞれ法数(ほっすう)順に解説がある。<br> | 全26巻より成っていたが、雑法聚を除く20巻が大正蔵(巻44)に収められている。教法聚・義法聚・染法聚・浄法聚に分かれ,それぞれ法数(ほっすう)順に解説がある。<br> |
2010年9月25日 (土) 11:40時点における版
大乗義章
地論宗の浄影寺慧遠が、毘曇・成実・摂論・地論・三論などの教学の蘊蓄を傾けて編纂した仏教用語の解説辞典。
全26巻より成っていたが、雑法聚を除く20巻が大正蔵(巻44)に収められている。教法聚・義法聚・染法聚・浄法聚に分かれ,それぞれ法数(ほっすう)順に解説がある。
全部で222の義を取り上げているが、慧遠独特の思想は、義法聚のなかの仏性義(ぶっしょうぎ)、二諦(にたい)義、八識(はっしき)義、浄法聚に所収される涅槃(ねはん)義などにみいだされる。本書の教学は、それまでの中国仏教を集大成したものであり、真諦の唯識教学と大乗起信論を統合する姿勢も見られる。
本書は慧遠の没後、弟子たちによって中国の南北にもたらされ、吉蔵の三論学、智儼の華厳学、基(窺基(きき))の唯識学などに大きな影響を与えた。