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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(大乗義章)
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地論宗の[[じょうようじ|浄影寺]][[えおん|慧遠]]が、[[びどん|毘曇]]・[[じょうじつろん|成実]]・[[しょうろん|摂論]]・[[じゅうじきょうろん|地論]]・[[さんろん|三論]]などの教学の蘊蓄を傾けて編纂した仏教用語の解説辞典。
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 地論宗の[[じょうようじ|浄影寺]][[えおん|慧遠]]が、[[びどん|毘曇]]・[[じょうじつろん|成実]]・[[しょうろん|摂論]]・[[じゅうじきょうろん|地論]]・[[さんろん|三論]]などの教学の蘊蓄を傾けて編纂した仏教用語の解説辞典。
  
全26巻より成っていたが、雑法聚を除く20巻が大正蔵(巻44)に収められている。教法聚・義法聚・染法聚・浄法聚に分かれ,それぞれ法数(ほっすう)順に解説がある。<br>
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 全26巻より成っていたが、雑法聚を除く20巻が大正蔵(巻44)に収められている。教法聚・義法聚・染法聚・浄法聚に分かれ,それぞれ法数(ほっすう)順に解説がある。<br>
全部で222の義を取り上げているが、慧遠独特の思想は、義法聚のなかの仏性義(ぶっしょうぎ)、二諦(にたい)義、八識(はっしき)義、浄法聚に所収される涅槃(ねはん)義などにみいだされる。本書の教学は、それまでの中国仏教を集大成したものであり、[[しんたい|真諦]]の[[ゆいしき|唯識]]教学と[[だいじょうきしんろん|大乗起信論]]を統合する姿勢も見られる。
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 全部で222の義を取り上げているが、慧遠独特の思想は、義法聚のなかの仏性義(ぶっしょうぎ)、二諦(にたい)義、八識(はっしき)義、浄法聚に所収される涅槃(ねはん)義などにみいだされる。本書の教学は、それまでの中国仏教を集大成したものであり、[[しんたい|真諦]]の[[ゆいしき|唯識]]教学と[[だいじょうきしんろん|大乗起信論]]を統合する姿勢も見られる。
  
  
本書は慧遠の没後、弟子たちによって中国の南北にもたらされ、[[きちぞう|吉蔵]]の[[さんろん|三論]]学、[[ちごん|智儼]]の[[けごん|華厳]]学、[[き|基]](窺基(きき))の[[ゆいしき|唯識]]学などに大きな影響を与えた。
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 本書は慧遠の没後、弟子たちによって中国の南北にもたらされ、[[きちぞう|吉蔵]]の[[さんろん|三論]]学、[[ちごん|智儼]]の[[けごん|華厳]]学、[[き|基]](窺基(きき))の[[ゆいしき|唯識]]学などに大きな影響を与えた。
  
:[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=1851_ 大正新脩大藏經 Vol.44 p.465a]
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*[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=1851_ 大正新脩大藏經 Vol.44 p.465a]

2017年6月30日 (金) 00:32時点における最新版

大乗義章

 地論宗の浄影寺慧遠が、毘曇成実摂論地論三論などの教学の蘊蓄を傾けて編纂した仏教用語の解説辞典。

 全26巻より成っていたが、雑法聚を除く20巻が大正蔵(巻44)に収められている。教法聚・義法聚・染法聚・浄法聚に分かれ,それぞれ法数(ほっすう)順に解説がある。
 全部で222の義を取り上げているが、慧遠独特の思想は、義法聚のなかの仏性義(ぶっしょうぎ)、二諦(にたい)義、八識(はっしき)義、浄法聚に所収される涅槃(ねはん)義などにみいだされる。本書の教学は、それまでの中国仏教を集大成したものであり、真諦唯識教学と大乗起信論を統合する姿勢も見られる。


 本書は慧遠の没後、弟子たちによって中国の南北にもたらされ、吉蔵三論学、智儼華厳学、(窺基(きき))の唯識学などに大きな影響を与えた。