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2004年3月19日 (金) 06:03時点における版
龍樹
りゅうじゅ、naagaarjuna नागार्जुन(skt.)
150‐250 年ころのインドの僧。生没年不詳。名前はサンスクリットで「ナーガールジュナ(naagaarjuna)」。南インドのビダルバのバラモン出身で、幼い頃から多くの学問に通じた。シャータバーハナ朝の保護のもと、セイロン・カシミール・ガンダーラ・中国などからの僧侶のために僧院を設けた。この地は後にナーガールジュナコンダと呼ばれる。
大衆部・上座部・説一切有部、さらには当時はじまった大乗仏教運動を体系化した。ことに大乗仏教の基盤となる般若経で強調された「空」を、無自性であるから「空」であると論じ、釈迦の縁起を説明し、後の仏教全般に決定的影響を与える。これによって中国や日本では「八宗の祖」と仰がれている。
彼の教えは、鳩摩羅什(クマーラジーバ)によって中国に伝えられ、三論宗が成立。また、シャーンタラクシタによってチベットに伝えられ、ツォンカパを頂点とするチベット仏教(ラマ教)教学の中核となる。8世紀以降のインド密教においても、竜樹を著者とする五次第などの多数の文献が著された。
著作
- 中論(正確には頌のみ彼の著作)
- 般若経の注釈書であり、初期の仏教からインド中期仏教までの術語を概説している。
- 十住毘婆沙論(じゅうじゅうびばしゃろん)
- 大乗菩薩の階位について論述している。ことに易行品によって浄土教の往生と成仏が論証されている。