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2007年12月12日 (水) 21:03時点における版
顕浄土真実教行証文類
親鸞の主著で、教行信証、教行証文類、広文類、本典などとも呼ばれ、教行信証 という呼び方が一般的である。6巻本。大正蔵、No.2646、83巻。
浄土真宗の教義体系が開示されている。本願力回向を往相・還相の二回向に分け、その往相回向を教・行・信・証の四つに分けて明かした、浄土真宗の根本聖典である。
内容
教巻・行巻・信巻・証巻・真仏土巻・化身土巻の六巻に分けて詳細に教義が明かされている。最初と最後には、それぞれ総序と後序がある。
- 教とは、釈迦の説いた無量寿経 であり、本願を根本(=宗)とし、名号を体とする。浄土真宗では「釈尊出世の本懐の教」として最重要視している。この無量寿経 に説かれた教義が、つづく行・信・証の要因となっている。
- 行とは、本願の名号であって、闇を照らし本願を成就させる(=破闇満願)働き(=力用)をもって、衆生を往生成仏させるのが行である。
- 信とは、この行法を領受した三心即一の無疑の信心をいう。この信の体は名号であり、阿弥陀仏の智慧であり慈悲であるから、浄土(=真実報土)に往生して、涅槃のさとりを開く因となる。これを信心正因という。
- 証というのは験現という意味で、行信の徳によってみずからが仏となるという結果が得られることを証という。このさとりは、阿弥陀と同じ体となるということで弥陀同体のさとりであり、涅槃とも滅度ともいう。この仏果の慈悲の働き(=悲用)として、衆生を救済する還相が展開する。
- 真仏土では、証の現れる境界(きょうがい)のことを指している。これは光明無量・寿命無量の大涅槃の境界と説明される。同時に往相・還相の二回向のおこる本源である。
以上五巻で顕真実の教義は終る。 - 化身土巻において、権化(ごんけ)の教と、邪偽の教の区分を明かす。権化の教とは、聖道門と浄土門内の方便の教えである要門・真門を指す。また邪偽の教えとは、仏教以外の外道の教えをいう。このように「仮」と「偽」を簡ぶことによって、真実を明らかにしている。