操作

「しょうまんぎょう」の版間の差分

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(勝鬘経)
(勝鬘経)
 
12行目: 12行目:
 
 『[[ゆいまきょう|維摩経]]』とともに古くから在家のものが仏道を説く経典として用いられ、[[しょうとくたいし|聖徳太子]]もこの経典の注釈書『[[しょうまんぎょうぎしょ|勝鬘経義疏]]』を著している。
 
 『[[ゆいまきょう|維摩経]]』とともに古くから在家のものが仏道を説く経典として用いられ、[[しょうとくたいし|聖徳太子]]もこの経典の注釈書『[[しょうまんぎょうぎしょ|勝鬘経義疏]]』を著している。
  
===構成===
+
==構成==
* 如来真実義功徳章
+
===如来真実義功徳章===
* 十受章
+
* 三大願章
+
* 摂受正法章
+
* 一乗章
+
* 無辺聖諦章
+
* 如来蔵章
+
* 法身章
+
* 空義隠覆真実章
+
* 一諦章
+
* 一依章
+
* 顛倒真実章
+
* 自性清浄蔵章
+
* 如来真子章
+
* 勝鬘章
+
  
===漢訳===
+
===十受章===
 +
===三大願章===
 +
===摂受正法章===
 +
===一乗章===
 +
===無辺聖諦章===
 +
===如来蔵章===
 +
===法身章===
 +
===空義隠覆真実章===
 +
===一諦章===
 +
===一依章===
 +
===顛倒真実章===
 +
===自性清浄蔵章===
 +
===如来真子章===
 +
===勝鬘章===
 +
 
 +
==漢訳==
 
 求那跋陀羅訳の他に、[[ぼだいるし|菩提流支]]の『[[だいほうしゃくきょう|大宝積経]]』〈第48会〉(T11, pp.672-678)があるが、通常は求那跋陀羅訳が用いられる。
 
 求那跋陀羅訳の他に、[[ぼだいるし|菩提流支]]の『[[だいほうしゃくきょう|大宝積経]]』〈第48会〉(T11, pp.672-678)があるが、通常は求那跋陀羅訳が用いられる。
  
===註釈書===
+
==註釈書==
 
* 勝鬘経義記 2巻(下巻欠) [[じょうようじ|浄影寺]][[えおん|慧遠]]
 
* 勝鬘経義記 2巻(下巻欠) [[じょうようじ|浄影寺]][[えおん|慧遠]]
 
* 勝鬘経宝窟 3巻 [[きちぞう|吉蔵]](T37, pp.1-90)
 
* 勝鬘経宝窟 3巻 [[きちぞう|吉蔵]](T37, pp.1-90)
42行目: 43行目:
 
 チベット訳“lha-mo dpal-phreG-gi seG-geHi sgra”は、菩提流支訳と同様に、『大宝積経』〈第48会〉として翻訳されている。
 
 チベット訳“lha-mo dpal-phreG-gi seG-geHi sgra”は、菩提流支訳と同様に、『大宝積経』〈第48会〉として翻訳されている。
  
===研究===
+
==研究==
 
* 蔵漢和三訳合璧 勝鬘経・宝月童子所問経 月輪賢隆
 
* 蔵漢和三訳合璧 勝鬘経・宝月童子所問経 月輪賢隆

2025年1月30日 (木) 15:02時点における最新版

勝鬘経

大乗経典中で如来蔵思想を説く代表的作品のひとつで、正しくは『勝鬘師子吼一乗大方便方広経』。原典名は“Śrīmālādevī-siṃhanāda-sūtra”1巻。求那跋陀羅(Guṇabhadra, 394-468)漢訳。

 本経典の物語は、舎衛国波斯匿王の王女で、阿踰陀国王の友称に嫁いだ勝鬘夫人が、釈尊のもとで十大誓願、三大願を立て、さらに正法に関して自説を述べると、釈尊がこれを認めるという話である。
 この正法の説明で、三乗の教えはすべて大乗一乗に帰すること、衆生はすべて煩悩にまとわれているが、本性は清浄無垢で如来と等しく、如来の性(仏性、如来蔵)を備えている。これを・不空の両面から知ることが正知である。
 また、如来蔵にもとづいて、生死輪廻の世界も涅槃の獲得も可能であるとする。

 勝鬘経の一乗思想は『法華経』の一乗思想を継承した大乗仏教の一大眼目であるが、在家の女性によって法が説かれている点、維摩居士の説く『維摩経』と並んで、大乗仏教の在家主義を示す代表作である。

 また、如来蔵思想は、『法界無差別論』『宝性論』『無上依経』『仏性論』、さらに『楞伽経』『起信論』に受け継がれるとともに、中国に入って華厳教学の中に吸収されていく。

 『維摩経』とともに古くから在家のものが仏道を説く経典として用いられ、聖徳太子もこの経典の注釈書『勝鬘経義疏』を著している。

構成

如来真実義功徳章

十受章

三大願章

摂受正法章

一乗章

無辺聖諦章

如来蔵章

法身章

空義隠覆真実章

一諦章

一依章

顛倒真実章

自性清浄蔵章

如来真子章

勝鬘章

漢訳

 求那跋陀羅訳の他に、菩提流支の『大宝積経』〈第48会〉(T11, pp.672-678)があるが、通常は求那跋陀羅訳が用いられる。

註釈書

  • 勝鬘経義記 2巻(下巻欠) 浄影寺慧遠
  • 勝鬘経宝窟 3巻 吉蔵(T37, pp.1-90)
  • 勝鬘経述記 2巻 
  • 勝鬘経義疏 1巻 聖徳太子(T56, PP.253-280)

 本経典の原典は散逸しているが、『宝性論』の中にかなりの部分が引用されており、『大乗集菩薩学論』に引用されているものと併せて、原型が想像される。

 チベット訳“lha-mo dpal-phreG-gi seG-geHi sgra”は、菩提流支訳と同様に、『大宝積経』〈第48会〉として翻訳されている。

研究

  • 蔵漢和三訳合璧 勝鬘経・宝月童子所問経 月輪賢隆